とあるSEの適当日記(仮)

その時のプロジェクトで必要になって調べた技術や読んだ書籍についてメモしていく場です。誰かの役にたったらいいなくらいのものです。最近の関心事は、「スクラム」「アジャイル」です。

「フロー理論」について調べてみた

先週、会社内部の勉強会で、たまたま「フロー理論」という単語ができて来たので、ちょっと気になって調べて見ましたー(゜д゜)ノ

まず、フローとは、Wikipediaによると、

フロー(英: Flow)とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されている。

出典:フロー (心理学) - Wikipedia

つまりは、無我夢中で取り組んでいる状態のことなのでしょうね。

f:id:jun_higuchi:20190908151320p:plain
この図によると、高い「スキルレベル」かつ、高い「挑戦レベル」のときにこういう状態になるようです。
そして、この状態を、「フロー体験」とか、「フロー状態」などと言うそうです。
この状態になったとき、非常に高い生産性を出すようなのです。スー◯ーサ◯ヤ人みたいですね!←

フロー体験(状態)を構成する8要素

↓の記事を参考にしました。
learn-tern.com

① 達成できる期待のある課題
② 行動への集中
③ 明確な目標
④ 直接的で即時的なフィードバック
⑤ 不快なこと、気になることを忘れる
⑥ 恐れを払い、成功を観る、高い統制の感覚
⑦ 自意識の消失による自己超越
⑧ 時間間隔の変容

少し補足:
①は、簡単では無いけども不可能では無いくらいの課題であることだそうです。つまりは、課題が「簡単である」かのような言い方は避けた方がいいのでしょうね。やってる方も意欲を失ってしまうでしょう。
⑥は、ちょっと分かり難いですが、他の記事みると、「状況や活動を自分で制御している感覚」と書かれておりました。つまりは、自分の状況(課題に取り組む環境)や活動(課題に対するやり方)は自分でコントロールできていると感じている状態という事でしょう。

「フロー体験」が生み出される主要な条件

↓の記事を参考にしました。
blogs.itmedia.co.jp

1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる
2.対象への自己統制感がある
3.直接的なフィードバックがある
4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている

働いてもらう人達が高い生産性を出してもらうためには、こういった条件を満たす環境を作り出してあげることが大事という事でしょう!

「フロー理論」から分かる成長のループ

この資料の図がわかりやすかったです。
positiveinnovation.org

ある人(またはチーム)を対象にして、その対象のスキルレベルに応じた難易度の挑戦をさせ、その挑戦が成功する(良く評価をされる)と次第に慣れてきて、退屈に傾く、、そこで次は更に高い難易度の挑戦をさせて、、、とこのサイクルを繰り返すことで、人やチームを成長させると言っているのです。
そのためには、「1つの挑戦が終わる事=結果に対して『評価』する事」が必要なわけで、つまり、短期間適切な難易度の挑戦を繰り返し、その都度、達成度合いを評価する必要があるという事です。

ゲームやスポーツに置き換えるととてもわかり易いです。
↓で示されているようにフローサイクルに入り込むことで没頭し、その間、大きな生産スピードと成長を得るできるのでしょう。
scrapbox.io

私も昔、ゲームに没頭していた時期がありましたが、そういう事だったのですね!

あ、、あと、↓重要だと思ったので貼っておきます。

一つだけ、誤解のないように・・。人は仕事の中でさまざまな業務をこなしています。すべての業務にフローを求める必要はありません。また、会社全体の目標達成上からもそのような仕事ばかりを選ぶことが出来ません。熟達した仕事をすることもあります。また、その機会も多いものです。ここで言いたいのは、全てを「退屈」分野で仕事をするのではなく、いくつかは「フロー」が経験できるチャレンジレベルのものをもって仕事をしましょう、と言うことです。それで、自分を成長させることができるのです。

スクラム」と「フロー理論」の関係性

ここまで書くと、なんか、フロー理論とスクラムって似ているように感じてしまいまして、もしかして、スクラムってのは、フロー理論が裏付けとなる仕組みなのではないかと思って調べてみました。

↓の資料を見つけました。
https://www.pmaj.or.jp/library/open/regular/kns20140613.pdf

9ページ目の最後のスライドに「アジャイルはチームとしてのフロー状態」と書かれていました。
(これ以外に関連を示す記事は見当たりませんでしたが、、)まぁ納得!!

スクラム」では、『「フロー体験」が生み出される主要な条件』を満たしてあげることで、チームとしてのフロー状態を作り出そうとしているのでしょう。

1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる
 →これはスクラムでは特に語られてないですが、チームがやっている仕事は簡単では無いことを認識してもらいましょう。

2.対象への自己統制感がある
 →スクラムでは、チームに「やり方(How)」に対する権限を与えています。

3.直接的なフィードバックがある
 →スクラムでは、毎スプリント後にスプリントレビューという形でのフィードバックや、ステークホルダーレビューという形でのフィードバックを得ることができ、これらにチームメンバーも参加すべきでしょう。

4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている
 →スクラムでは、これを行うのが、スクラムマスターの役目ですよね。

『「フロー理論」から分かる成長のループ』のところで、「短期間で適切な難易度の挑戦を繰り返し、その都度、達成度合いを評価する」ことが必要であると書きましたが、まさにスクラムではそれが可能なわけですよ!逆にウォーターフォールでは、その評価が最後にしかされないわけで、作業員の成長性や生産性も遅いということを意味しているのですね。

まとめ

『「フロー体験」が生み出される主要な条件』の4つがとても大事ですね。
今後、「なぜスクラム開発のそのやり方で、生産性があがるのか?」という話が出た際に、フロー理論を裏付けとして説明することができそうだということが分かりました。

↓の本が評価高いようで、ここで書いた事をきっちり勉強しときたいものです。

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

プライバシーポリシー お問い合わせ