「カイゼン・ジャーニー」を読み終えたので感想を。。
ひっそりコツコツと読んでた「カイゼン・ジャーニー」を読み終えたので、感想書いておきます。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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簡単に書くと、
開発の範囲の「境界」を越えること(つまりは「越境」すること)で、コミュニケーションが活性化し、仕事をスムーズに終えることが出来たという話です。
物語形式になっており、いろんな場面において「境界」を感じ、その都度、様々なプラクティス(やり方)を使いこなしながら「越境」をしていくという構成となっており、そのプラクティスはとても参考になるものでした。
ここで、私が参考になったなーって思った、いくつかのプラクティスを紹介しておきます。
Working Agreement
チームで決めたルールの事です。チームメンバー全員が必ず参加し、互いの価値観をぶつけあいながら、生産性の上がるルールを決め、それを守りながら仕事を進めるというものになります。これは、ふりかえりの中でより良い形にアップデートしていくものとのことです。
ドラッガー風エクササイズ
メンバーそれぞれが、「①何が得意か?」「②どうやって貢献するか?」「③大切に思う価値」「④メンバーは自分にどんなことを期待しているか?」の4質問に答えていき、付箋などで大きく張り出し、互いの相互理解を深めていくというものです。
この4質問に全員が答えたうえで、⑤の質問として、「④メンバーは自分にどんなことを期待しているか?」の答えが認識合っているか?のフィードバックを全員から貰うというものです。それにより、期待のズレを修正していくというものになります。
ファイブフィンガー
今の状態を「せーの」で一斉にメンバー全員がそれぞれ5本の指で示し合います。5本「とっても上手くやれている」、4本「うまくやれている感触あり」、3本「可もなく不可もなく」、2本「不安は少しある」、1本「全然ダメで絶望的」を意味します。
手を上げるか下げるかだと、二者択一の多数決のような状態となってしまいますが、5本の指で示すことでもう少し状態を詳しく示すことができるというものです。互いに出し合ったうえで、コミュニケーションを取り、不安要素などを共有し合うというやり方になります。
CCPM(Critical Chain Project Management)
バッファの持ち方の話で、タスクごとの個別にバッファを持つやり方ではなく、全体としてバッファを持ってプロジェクトを管理する方法のことです。その全体バッファの求め方は、全タスクの見積もり工数合計の半分として足し合わせます。
これにより、各タスクについて担当者がグズグズと作業を先延ばしにしてしまうというリスクを回避できるそうです。
なるほど。。
むきなおり
むきなおりとは、進むべき先を捉えて現在と正すことです。
つまりは、期限を意識した上で、重要度の高いものを整理し、どこまでやるのかを明確化して、どのようにやっていくのかを再度検討して実行に移していくというものです。
仮説キャンバス
↓のSlideShareが分かりやすいです。このキャンバスの項目を埋める形で情報を整理するというものです。
ハンバーフライト
ハンガーフライトというのは、プロジェクトの枠を越えて、いろんな人と集まり、技術やコミュニケーションなどについての雑談をすることで新たな学びを得ようという試みです。
ハンガー(Hangar)というの、飛行機の格納庫のことだそうで、昔、天候が悪くて飛行機が飛ばせないときに、天候が良くなるまでパイロット達でハンバー(格納庫)に集まって、航空技術の経験談を語り合ったそうです。
以上、気になった点をまとめてみました。
なお、私が元々知っていた事はフィルタリングされてしまっているので、ここでは紹介されない形となっているため、興味ある方はちゃんと読むことをおすすめします。
いやぁ、この本は、アジャイルやスクラムに関係なく、新人からシニア層まで読んで価値あるものだと思いますよ。
今後、うちの会社の同僚にもオススメしていきたいものです。